10.腎臓病の食事療法

腎臓病の種類によって食事療法が全く異なるので注意してください。
ただ塩分だけはすべてに共通して3〜6gに制限する必要があります。
以下に、病気別にお話します。

(1)慢性腎臓病(まだ透析していない場合):
腎機能(GFR)が60以上ある人は塩分制限のみ行います(1日3〜6g)。 60以下になったら、標準体重Kgあたり0.8〜1.0g(50Kg体重なら1日40g〜50g)、30以下になったら標準体重あたり0.6〜0.8g(50Kg体重なら1日30g〜40g)を目指します。 ただしカロリー不足は、特に高齢な方には禁物です。 標準体重あたり30カロリー(50Kgなら1日1500カロリー)以上は必要です。 腎機能が30以下になると血液中のカリウムが増加するようになるので血清カリウム濃度が4.8mEq/Lをこえたらカリウム制限が必要になり生野菜、果物(Kが多い)を制限する必要があります。 水分の制限は尿量が減ってむくむようになるまでは必要ありません。 むしろ透析が始まるまではたくさん水分を取ってもらいます。 また血清リン濃度が4.0mg/dl以上(正常は2.5〜3.6mg/dl)になったらリンの制限(加工食品、豆類、干物など)も必要です。 たんぱく質を減らしても全体のカロリーは体重Kgあたり30〜35カロリー必要なので糖分(お米やパスタにもたんぱく質が含まれているので)や脂肪分で補う必要があります。 脂肪分はリノール酸やオレイン酸が多くコレステロールの少ないものが良いのでオリーブオイルなどがぴったりです。

(2)血液透析をしている場合
たんぱく質の制限は要りません。 ただしリンの制限が必要で、タンパク質が多くなるとリンも多くなる傾向が有ります。 血液中のリンの濃度が高くなるとカルシウムとくっついて血管や筋肉などの骨以外のところに溜まってしまい心臓病や脳卒中の危険が増しますのでリン(加工食品、乳製品、豆類などに多い)を少なくしなければなりません。 カリウム制限と水分の制限は一部の人を除いてほとんどの患者さんがしなければならなくなります。 透析を始めて1年も経つと半分以上の人は尿が十分に出なくなります。 その結果、体に水分と塩分がたまりむくむのです。 このため1回の透析と次の透析の間(中1日か週末は中2日)の水分が貯留するための体重の増加をドライウェイト(むくみも脱水もない状態の体重)の3%以内に抑えないと心臓に負担がかかって心不全になってしまいます。? ですから飲む水の量も1日500ml以内となってしまい、かなりつらい場合も多いようです。



menu1.腎臓の構造と体の中での場所2. 腎臓病の種類3. 尿に蛋白が出たら
4.尿に血液が出たら5. むくんだら6. 腎不全とは7. 血液透析とは8. CAPDとは
9. 腎移植について10. 腎臓病の食事療法11. 腎臓病で使用する代表的な薬


copyright
本サイトが提供する、文書、映像、音声、プログラムなどを含む 全ての情報を、著作権者の許可なく複製、転用することを固くお断りいたします。