Last Updated 2007/03/15
治療法・薬について
透析や移植につての基本][検査・診断について][透析患者さんのために
多発性嚢胞腎について][慢性腎炎について][腎臓移植について][その他

●1.

尿酸値が高いので薬を飲めといわれました。その薬を飲んでも大丈夫ですか。

●2.

腎機能が悪くなり食事療法が必要になりました。どのようにしたら良いでしょう。

●3.

ステロイドの副作用を教えてください。

●4.

血小板凝集抑止剤って何ですか。

●5.

ACE(エーシーイー)阻害薬って何ですか。

●6.

カルシウム拮抗薬って何ですか。

●7.

AII(エーツー)受容体アンタゴニスト(または拮抗薬)って何ですか。

●8.

私は腎機能が悪いのですが、造影剤を使っても大丈夫ですか。

●9.

むくみがあるので塩分制限をするように言われました。どうしてですか。

●10

慢性腎臓病の食事療法はなにに気をつければよいのですか。

●11.

慢性腎臓病になるとなぜ食事中のタンパク質を減らさなければいけないのですか。

●12.

腎臓の働きが悪くなるとなぜ食事中のカリウムを制限しなければいけないのですか。

●13.

カリウムはどのような食品に多く含まれていますか。

●14.

免疫抑制剤のネオーラルという薬の副作用について教えて下さい。

●15.

尿酸結石による腎結石を繰り返しています。石をできにくくする食事療法はありますか?

●16.

腎臓病患者に対するインフルエンザワクチンの安全性および効果につき教えてください。

●17.

慢性腎臓病とはなんですか?


1.尿酸値が高いので薬を飲めといわれました。 その薬を飲んでも大丈夫ですか。

腎臓病により腎臓のはたらきが通常3分の1以下に低下すると血液中の尿酸値が上昇します。尿酸値の増加は痛風になるだけでなく、腎臓そのものにも悪い働きをするために、通常9 mg/dL以上ではアロプリノールという薬を飲む必要があります。ただこの薬には肝障害や血小板減少症のような副作用があり、月に1回の定期的な血液検査が必要になります。尿酸を下げるには他にもプロべネシッドという尿から尿酸の排泄を増やすタイプの薬があります。これは腎機能が低下している場合には効果が少ないので使用されることはあまりありません。ただ、腎機能が正常な方でこのプロべネシッドを服用される場合には腎結石を予防するためにクエン酸カリウムを併せてのみ、また劇症肝炎での死亡例が報告されているので最初の6ヶ月間は毎月血液検査を行い肝機能に異常がないか調べる必要があります。




2.腎機能が悪くなってきたので食事療法が必要と言われました。
     どのようにしたら良いでしょう。

たんぱく質、塩分、カリウムなどの制限が主体です。専門の栄養士に教わる必要があります。くわしくは本ネットの「腎臓病のABC」を読んでください。




3.ステロイドの副作用を教えてください。

顔が丸くなり(満月様願望、ムーンフェイスという)、人によってはにきびができます。また血糖値が上がる、細菌やウイルス、カビなど抵抗力があればかかりにくい感染症にかかりやすくなる(免疫力の低下)、胃潰瘍を作りやすい、時に錯乱妄想など精神症状がでる、不眠になる、食欲が高まるなどの副作用が考えられます。こうした副作用は誰にでも起こるわけではなく、また全て起こるわけでもありません。そして副作用の起きる危険性はステロイドの量によります。プレドニンというステロイドでは一日で30mg以上の量副作用が出やすいので量が多い間は副作用を予防するため入院して注意深く観察することが必要です。副作用を医師と患者の両方がしっかり知っていれば消して怖がる必要はありません。




4.血小板凝集抑止剤って何ですか。

血小板は血を固める働きがありますが、この働きを抑制して慢性糸球体腎炎の治療を行います。ジピリダモール(ペルサンチン)、塩酸ジラゼブ(コメリアン)、小児用バファリン、ワーファリンがそうした作用のある薬です。




5.ACE(エーシーイー)阻害薬って何ですか。

アンジオテンシン変換酵素阻害薬のことで現在使われている高血圧治療薬(降圧剤)の主流です。特に腎臓保護作用や蛋白尿を減らす効果があるため慢性腎臓病の治療に広く使われています。あまり重大な副作用はありませんが、30%の人に無害な空咳の副作用が出ます。また腎機能が30%以下になると血液中のカリウム(K)をあげる作用がより出てくるので注意が必要です。AII受容体阻害薬はほぼ同様な効果を有しています。現在発売されている薬には以下のものがあります。

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(商品名):
カプトリル、レニベース、セタプリル、アデカット、インヒベース、ゼストリル、ロンゲス、チバセン、タナトリル、ノバロック、エースコール、コナン、オドリック、プレラン、コバシル




6.カルシウム拮抗薬って何ですか。

降圧薬の1種類で、もっとも多くの薬がこの分類に入ります。血圧を下げる効果 は強く、かつ狭心症の治療に使われます。




7.AII(エーツー)受容体アンタゴニスト(または拮抗薬)って何ですか。

アンジオテンシンII(AIIエーツー)とは血圧を上昇させ、血管を細くする強力なホルモンです。このホルモンの作用をブロックすることで血圧を下げる降圧剤です。ACE(エーシーイー)阻害薬と同様に腎臓保護作用や蛋白尿を減らす作用があり慢性腎臓病の治療の主役になっています。ただし、腎機能が30%以下になると血液中のカリウム(K)をあげる作用がより出てくるので注意が必要です。現在発売されている薬には以下のものがあります。

アンジオテンシン受容体阻害薬(商品名):
アバプロ、ブロプレス、ニューロタン、ディオバン、ミカルディス、オルメテック、他




8.私は腎機能が悪いのですが、造影剤を使っても大丈夫ですか

腎機能を低下させる危険性はあります。予防としては造影剤の使用を必要最小限とするのと、十分前後に水分を取って脱水にならないような注意が必要です。ただし、腎臓の働きが30%未満(血液中のクレアチニン値が2.0以上の場合は腎機能の低下を予防するために血液透析を直後に一度だけ行うことが必要な場合があります。




9.むくみがあるので塩分制限をするように言われました。どうしてですか。

血液の中の塩分(ナトリウム)が多くなると、水もいっしょに引っ張って体の中にある水が多くなります。このためむくむのです。したがって塩分を制限するとそのむくみが取れるのです。




10.慢性腎臓病の食事療法はなにに気をつければよいのですか。

基本は蛋白質の制限です。詳しくは「腎臓病のABC」で




11.慢性腎臓病になるとなぜ食事中のタンパク質を減らさなければいけないのですか。

蛋白質を全体のカロリーを保ちつつ抑えると腎機能の悪化の速度が遅くなることが実証されているからです。詳しくは【腎臓病のABC】で。




12.腎臓の働きが悪くなるとなぜ食事中のカリウムを制限しなければいけないのですか。

尿からカリウムが排泄されるので腎機能が低下すると血液中にカリウムがたまってしまいます。
また、尿毒症で血液が酸性に傾くと(アシドーシスという)カリウムが細胞の中から多く血液中に出てくるのです。




13.カリウムはどのような食品に多く含まれていますか。

果物(缶詰はすくない)、生野菜(湯でこぼせば良い)、ナッツ、乳製品




14.免疫抑制剤のネオーラルという薬の副作用について教えて下さい。

ネオーラルはサンヂイミュンの改良薬(消化管からの吸収をよくしたもの) です。したがって、副作用は両者同一です。 以下、基本的な副作用を記します。
1。腎障害:腎機能が低下するが早期に中止すれば回復する。
2。肝障害:肝機能を表わす検査値が上昇する。中止により回復する。
3。中枢神経障害:全身痙攣、意識障害などの神経症状が生じることがある。 早期に中止することが肝要。
4。感染症:免疫力低下による感染症の併発がある。
なお、その他に以下の副作用も報告されています。 血圧上昇、多毛、皮疹、貧血、白血球減少、血小板減少、消化器症状、など。ただこれらの副作用は必ず起きるものではなく、むしろ少ないと考えられます。
使用にあっては主治医の先生とよく相談されることが大切です。




15.
免疫抑制剤尿酸結石による腎結石を繰り返しています。石をできにくくする食事療法はありますか?

1. 水分の摂取
ただし、尿酸結石のようですのでビールは良くない。飲むならプリン体をカットしたビールを。
2. 尿酸のもとになるプリン体の摂取をひかえる
肉、レバー、イカ、エビ、魚の干物などはよくない。
また、アルコールも尿酸合成を促進させると言われている。
3. 尿のアルカリ化
酸性尿は尿酸の溶解度を低下させる(結石ができやすくなる)。
動物性タンパク質の過剰摂取をさけ、野菜、果物、海草を十分にとる。
4. 適当な運動
ただし、運動時の脱水に気を付けて
5. もし、シュウ酸カルシウムの結石もあるようなら
シュウ酸の多い食品(ほうれん草、タケノコ、ココア、チョコレート、ナッツ類など)にも気を付けたほうがよい。
カルシウムは特に制限する必要はない。




16.
.腎臓病患者に対するインフルエンザワクチンの安全性および効果につき教えてください。

移植患者へのインフルエンザワクチンの安全性は確立されていますが、効果については多少議論があるようです。UpToDateではこれを推奨しています(Clin Transplant 1996 Dec;10(6 Pt 1):556-60)。一方塩酸アマンタジンは腎障害患者には十分注意して投与すべきとされています。
また透析患者での抗体産生は低下していることが考えられますが、実際の効果は一般とあまり変わりないということで投与が推奨されます(Semin Dial 2000 Mar-Apr;13(2):101-7)
ネフローゼ症候群、IgA腎症、SLEなど対しステロイドなど免疫抑制療法を施行中の患者様にも推奨されています。
なおタマゴや他の薬剤にアレルギーの経験がある方は避けたほうが良いです(花粉症は関係ありません)




17.
慢性腎臓病とはなんですか?

1. 慢性腎臓病は糖尿病や高血圧による腎臓障害、IgA(アイジーエイ)腎症などの慢性糸球体腎炎、多発性嚢胞腎など沢山の原因による慢性に経過する腎臓病の総称で、2002年に米国で提唱され現在は世界的な用語になっています。

2. 腎臓の働き(糸球体濾過値)が60%未満に低下すると、心筋梗塞などの心臓病になって死亡する危険性が増します。糖尿病や高血圧、肥満、高脂血症などのメタボリックシンドロームは心臓病を引き起こす重要な原因となりますが、これらにより腎臓が侵され慢性腎臓病になると飛躍的にその危険性が高まります。

3. 慢性腎臓病が進行し腎不全となり透析療法をしなければならなくなる原因の第1位は糖尿病、第2位はIgA(アイジーエイ)腎症などの慢性糸球体腎炎です。年間3万6千人があらたに透析療法を日本では開始しています。

4. 慢性腎臓病は高血圧の原因となります。血圧が130/80以上の方は先の2つの簡単な検査を定期的にうけて、早期発見につとめましょう。

5. 糖尿病が進行すると慢性腎臓病になります。尿中アルブミン濃度が30 mg/gを超えたらその兆候です。腎臓専門医にも受診してください。



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