CKDにおける糖尿病管理

監修:大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学 稲葉雅章

CKDにおける糖尿病管理

糖尿病CKD患者では、腎臓での糖新生の欠如やインスリンクリアランスの低下で低血糖リスクが高い事、腎臓からの尿糖排泄減少で食後高血糖が増幅される事の2点が大きな特徴で、そのため血糖変動幅がきわめて大きいことで血管障害リスクが高い患者群として捉えられる。

最近の糖尿病CKD患者の診療の進歩として、(i) 持続血糖モニタリングの普及とともに血糖変動パ ターンの同定が容易になったこと、(ii) 新規糖尿病薬である超速効型インスリン製剤やDPP-4阻害薬の実地臨床の場への導入で低血糖リスクを高めることなく食後高血糖の改善が図れるようになってきたこと、および (iii) 血糖コントロール指標として従来のHbA1cのみでなくグリコアルブミンの測定が導入されたことで、特に血液透析患者、保存期CKDでも一日尿蛋白4 g以下の患者の血糖コントロールの把握が容易になったことが挙げられる。

これら状況を鑑みて、本特集では第1章では大阪市立大学 森克仁先生に糖尿病CKD患者での血糖コントロールにあたって、臨床現場で実際に基礎知識として有するべきことを包括的に述べていただいたのちに、第2章では東京女子医科大学 馬場園哲也先生に診療にあたって頻出する疑問点についてお答え頂いた。

さらに第3章では日本大学の阿部雅紀先生から現在まで発表されている糖尿病治療薬の有効性や限界についてエビデンスベースでお述べ頂くこととした。

先生方の明日からの糖尿病CKD患者の診療の一助となれば幸いと存ずる。

稲葉雅章

(大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学)
1979年 大阪市立大学医学部医学科卒業
1983年 同大学大学院医学研究科博士課程修了
1985年 同大学医学部第二内科学教室助手
1987年~
1989年
ウィスコンシン大学生化学フェロー
2010年 大阪市立大学代謝内分泌・腎臓病態内科学 教授

森克仁

(大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学)
1993年 高知医科大学医学部卒業
1993年 大阪市立大学医学部第二内科入局
2000年 Joslin糖尿病センター
2001年 Brown大学医学部
2005年 大阪市立大学大学院医学研究科・代謝内分泌病態内科学 助教
2010年 大阪市立大学大学院医学研究科・代謝内分泌病態内科学 講師

馬場園哲也

(東京女子医科大学糖尿病センター内科)
1983年3月 広島大学医学部卒業
1983年5月 東京女子医科大学糖尿病センター内科(内科学第三)入局
1995年7月~
1997年12月
カナダ・トロント大学留学
2000年4月 東京女子医科大学糖尿病センター内科 講師
2014年4月 同 准教授

阿部雅紀

(日本大学医学部、腎臓高血圧内分泌内科)
1997年 日本大学医学部卒業
2003年 社会保険横浜中央病院
2007年 日本大学医学部付属練馬光が丘病院 透析室長
2007年 日本大学医学部腎臓高血圧内分泌内科 助教
2014年 日本大学医学部腎臓高血圧内分泌内科 准教授

Contents

緒言:TOP
緒言
稲葉 雅章(大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学)
第1章:Chapter 1
CKDにおける血糖コントロールの実際
森 克仁(大阪市立大学大学院医学研究科・代謝内分泌病態内科学)
第2章:Chapter 2
CKD血糖コントロールのQ&A
馬場園 哲也(東京女子医科大学 糖尿病センター内科)
第3章:Chapter 3
CKDにおける糖尿病治療のエビデンス
阿部 雅紀(日本大学医学部 腎臓高血圧内分泌内科)

Menu

この特集トップへ戻る
サイトトップへ戻る