CKDにおける食事療法の実践と問題点
リン・タンパク質・カリウム・塩分

執筆:徳島大学大学院医歯薬学研究部分子栄養学分野教授 宮本 賢一
執筆:東京医療保健大学医療保健学部医療栄養学科准教授 北島 幸枝

はじめに

CKDにおける食事療法は大変複雑である。塩分制限だけでも長年にわたって高塩分に慣れ親しんできた中高齢者には難しいのに加え、タンパク制限となるとどういう食事をして良いかがわからなくなる。さらにカリウム制限、リン制限が加わると、まるで食べるものが全くなくなってしまうかのごとく感じている患者が多い。

その結果、栄養不足に陥るか、自暴自棄になってしまう。そして透析患者ではさらに水分制限が加わる。また、多くの高齢者が独居であったり、老老介護であったりする。食事は勢い出来合いのものになっていく。正確な食事療法を行うにはある程度のインテリジェンスが要求される。

一方で、指導している内容のエビデンスレベルは必ずしも高くない。ということは無理やり指導している内容が患者によっては間違っている場合があるということである。

そして、こうした食事療法が専門医であっても必ずしもよく理解されているとはいえず、また指導する栄養士の理解も乏しく一律な数字による指導に終始している場合が少なくないのが現状と私は危惧している。このため、今回は臨床栄養学のエキスパートの先生方にこうした問題を解決する基本を実践的な内容で「食事療法の実践」を教授していただくこととした。

腎臓ネット 塚本雄介(IMSグループ板橋中央総合病院腎臓内科)

宮本 賢一 (みやもと けんいち)

(徳島大学大学院医歯薬学研究部分子栄養学分野・教授)
昭和54年 徳島大学医学部栄養学科卒業(管理栄養士)
昭和59年 徳島大学助手医学部(病態栄養学講座)
平成元年 米国シカゴ大学 生命科学研究所 分子生物学部門学術研究員
平成4年 徳島大学大学院 講師 医学部
平成11年10月 徳島大学教授 医学部
平成16年4月 徳島大学教授 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部(分子栄養学分野)
平成25年4月 徳島大学大学院医歯薬学研究部 教授

北島 幸枝 (きたじま ゆきえ)

(東京医療保健大学医療保健学部医療栄養学科准教授)
平成10年3月 徳島大学医学部栄養学科卒業
平成11年7月~ 医療法人 佐藤循環器科内科 栄養科
平成23年3月 徳島大学大学院栄養生命科学教育部 博士課程修了(栄養学)
平成23年4月~ 東京医療保健大学 医療保健学部 医療栄養学科、医療法人社団麗星会および医療法人財団倉田会えいじんクリニック 非常勤管理栄養士

Contents

A.食事中りん制限の実践と問題点
1.CKDにおけるリン制限の目的
2.健常者におけるリン推奨量の考え方
3.CKDにおけるリン制限食の推奨量とその根拠
4.負の側面と克服する方法
5.バランスのとれた健康的な制限食を実施するには
B.食事中タンパク質制限の実践と問題点
1.タンパク質制限の目的
2.健常者におけるタンパク質推奨量の考え方
3.CKDにおけるタンパク質制限食の推奨量とその根拠
4.タンパク質制限の負の側面と克服する方法
5.バランスのとれた健康的なタンパク質制限食
C.食事中カリウム制限の実践と問題点
1.カリウム制限の目的
2.健常者におけるカリウム推奨量の考え方
3.CKDにおけるカリウム推奨量とその根拠
4.カリウム制限の負の側面とその克服する方法
5.バランスのとれた健康的なカリウム制限食
D.食事中ナトリウム制限の実践と問題点
1.ナトリウム制限の目的
2.健常者におけるナトリウム推奨量
3.CKDにおけるナトリウム制限食の推奨量とその根拠
4.ナトリウム制限の負の側面とその克服する方法
5.バランスのとれた健康的なナトリウム制限食

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