慢性腎臓病患者における
腎性貧血治療ガイドライン

監修・執筆:山本裕康 厚木市立病院院長

はじめに

貧血治療はCKDの全ステージに亘って伴うCKDに特有な合併症の治療である。

降圧療法など他の診療分野でも広く行われている治療と違って専門的な知識と経験が試される診療技術である。

1990年にヒトエリスロポエチン製剤が本邦でも投与が可能となり、これが患者にもたらした福音は計り知れないものがあった。その後、その投与法に関しては多くの研究がなされいくつもの試練を経験し、2004年には本邦から日本透析医学会(JSDT)によって最初の腎性貧血治療ガイドライン(血液透析患者を対象)が発表され、2008年には慢性腎臓病患者を対象としたガイドラインへと改訂された。その後、2012年には国際腎臓病ガイドラインであるKDIGOが国際的に統一したガイドラインを発表した。こうした中でこれまでの本邦における臨床研究と経験を生かして先のガイドラインが2015年に改訂されることになった。

腎臓ネットはこれまでもガイドラインが発表されるたびに特集を行い、その理解と診療への正しい適応の一助になることを務めてきた。今回もガイドライン改訂を先頭に立って行っていただいた作成委員会委員長の山本裕康先生にその解説と本特集全体の監修をお願いした。またエビデンス研究の第一人者でもある濱野高行先生に本ガイドラインに採用された本邦初のエビデンスを解説していただいた。KDIGOガイドラインとの相違点を含め新ガイドラインの日常臨床応用の役に少しでも立つことができれば幸甚である。

(腎臓ネット 塚本 雄介)

山本 裕康 (やまもと ひろやす)

厚木市立病院院長
1985年 東京慈恵会医科大学卒業
1987年 東京慈恵会医科大学 第二内科 助手
2002年 東京慈恵会医科大学 内科学講座 講師
2010年 東京慈恵会医科大学 内科学講座 准教授
2011年 厚木市立病院 院長
東京慈恵会医科大学 客員教授
2012年 厚木市病院事業管理者 兼 厚木市立病院 院長

濱野 高行 (はまの たかゆき)

大阪大学大学院医学研究科腎疾患統合医療学准教授
1998年 大阪大学医学部医学科卒業
1999年 旧大阪府立病院(現大阪府立急性期・総合医療センター)内科研修医
2000年 関西労災病院内科レジデント
2005年 大阪大学大学院修了
2005年 大阪大学医学部附属病院血液浄化部医員
2007年 大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科助教
2008年 ペンシルバニア大学臨床疫学・生物統計学フェロー
2012年 大阪大学大学院医学系研究科腎疾患統合医療学 寄附講座助教
2010年より 日本腎臓学会ISN/JSN連携強化委員(現グローバル連携強化委員)
2012年より “Journal of Bone and Mineral Metabolism” Editorial Board
2015年 大阪大学大学院医学系研究科腎疾患統合医療学 寄附講座准教授

塚本 雄介 (つかもと ゆうすけ)

IMS板橋中央総合病院副院長
1976年 北里大学医学部卒業
1981年~1985年 ベイラー医科大学生化学および腎臓内科フェロー
2000年 腎臓ネット開設
2003年~2011年 秀和総合病院腎臓内科、東京医科歯科大学医学部臨床教授
2011年~ 板橋中央総合病院腎臓内科部長・内科統括部長・副院長

Contents

第1章
2015年版における修正点と継承した推奨
厚木市立病院院長 山本裕康
第2章
ガイドラインの元となった日本発のエビデンス
大阪大学大学院医学研究科腎疾患統合医療学准教授 濱野高行
第3章
KDIGOガイドラインとの相違点
IMS板橋中央総合病院副院長 塚本雄介(腎臓ネット)

Menu

この特集トップへ戻る
腎臓ネットTOPページに戻る